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2006年12月24日以来やってきました。 Recto Berso(レクト・べルソ)とそのスタッフの音楽にかかわる情報を載せています。
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 冬なのにいま、わたしはせみの声をきいています。岩ではなく、冷気にしみいります。なぜかというと、38度のスチュヂオで録った歌たちを、いま、編集しているからです。背景に夏の音がざわめていてるわけです。半年ごし、どころか、じっさいには最も古い記録は、2007年の音です。
 進めば進むほど分岐する無限回廊。しかし進まねばなりません。100テイクス、200テイクスの堆積のなかにときとして、燦然と輝く奇跡のテイクがあります。もちろんないときもあります。だれもできる、しかしだれもやりたがらないこうした砂金さらいこそが、ポップスを生むのでしょう。他方アンダーグラウンドに棲むひとたちは、こうした作業を嫌います。アンダーグラウンドのひとびとは、しばしば言います。「生演奏こそ最高だ。」「一発録りの空気感がいいのだ。」、と。ちがうでしょう。生演奏がよいのは、そのときの演奏が端的によいからであって、「生だから」よいのではありません。一発録りがよいのは、その一発録りテイクスが重ね録りテイクスにまさるときにかぎり、であって、「一発録りだから」よいわけではありません。
 砂金さらいが面倒なひとは、砂金さらいなんて意味がない、砂金さらいよりも大事なことがある、と思いこもうとします。そうすると、砂金さらいを放りだすことを正当化できるからです。コンプレックスとルサンチマン(ねたみ)に基づく価値転換です。アンダーグラウンドからは、こうして堆積したねたみの死臭がぷんぷんとするのです。アンダーグラウンドの墓碑に彫られた金科玉条は、「自分らしいから」と「これが好きだから」です。だれも、あなたの「らしさ」も「好み」も要りません。3b249269.jpeg
  「意志は天を突くほどに、頭は地を這い、土をなめるように」と、あるおっさんは言いましたが、よいことばです。高い理想をもつ者ほど、体を動かし、ごみにまみれ汗をかき、他人に土下座もするのです。目立とうとして、他人を見おろそうとして、上がろう上がろうとするほど、理想は下がります。
 Recto Bersoはアンダーグラウンドを見おろしますが、もちろん理想は高いです。「どのへんをめざしてるの。」と訊かれて、「バッハかビートルズです。」と答えると、しばしば苦笑されます。なぜでしょう。苦笑するひとをみて、わたしは胸のうちで苦笑します。バッハになることは「できる」のですよ。
 とはいえさっさと終わらせて、晴れ舞台にたちたいものです。2010年にデビュも悪くない。
 (春木)

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『誡子書』現代語訳
「君子となるべき行いは、じっくりと構えて自分を練磨し、何事にもよらず控えめに振舞い、徳を身につけることである。
無欲でなければ、大志を抱きつづけることはできない。また、じっくり構えなければ、大きな仕事は成し遂げられないものだ。
じっくり構えて、己を磨く努力を怠ったのでは、能力を高めることもできないし、志を失ったのでは、己を磨く努力を継続できない。
人を見下す気持ちがあったのでは、己を奮い立たせることもできないし、心に落ち着きが無ければ、性格も浮ついてくる。
時の経つのは早い。あっという間に歳をとり、それとともに気力・体力ともに衰えて、世の中のかかわりも少なくなっていく。
そうなってから慌てても、どうにもならない。」
bonjours 2010/01/04(Mon)22:05:42 編集
ありがとうございます。
 Bonjoursさま、いつかの演奏会ではお世話になりました。応援メッセージをありがとうございます。
 わたしがその言を引用したおっさんは、ほかならぬわたしですが、引いていただいた諸葛亮もたしかに同様のことを言っています。諸葛もまたたいしたおっさんです。大事なのは、「徳を身につけること」ですね。徳と言うと説教くさいですが、要するに徳があるというのは上品であることです。日常のしあわせで満足したり、自尊心をもつことは一見つつまやしかですが、本人が弱者であるとなれば、たちまち下品になります。
 親が子どもにする説教、先生が生徒にする説教が、説教「くさい」のは、説教者自身が、弱者に対して教える(つもりになる)ことで、自尊心を満たす弱者であるからでしょう。「親」は家でしか、「先生」は学校でしか強くありません。
 にもかかわらず、諸葛の『誡子書』はなんと上品な「説教」であることでしょうか。
 とりわけさいごの「歳」のくだり。60歳現役ロックスターはかりに上品だとしても、それに刺激され、勇気づけられ、昔とったきねづかでギターをつまびいて悦に入る60歳がいれば、それはなんとも下品です。上品たりえるのはただ強者のみです。
春木 2010/01/05(Tue)01:10:32 編集
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プロフィール
HN:
Recto Berso
年齢:
17
性別:
女性
誕生日:
2007/01/13
職業:
音楽家
趣味:
作曲、川柳
自己紹介:
Recto Berso(レクト・ベルソ)

 西中、春木、ふたりの自作自演歌手から成るロック・アンド・ロール・グループ。グループ名は、ラテン語のRecto Verso(おもて、うら)に由来。ひとをはっとさせる、かつ親しみやすいメロディをつむぎ、地域、時代にとら われず広く長く世に歌い継がれる歌をつくりだすことがヴィジョン。英語、フランス語、日本語でつづったオリジナルレパートリーは30曲、ストック曲は 120を越える。東京を中心に生演奏会を展開。楽器、録音器材にこだわりぬいた100%手づくりの音源もききもの。現在、岡田徹(ムーンライダーズ)のプ ロデュースのもと1stミニアルバム(2012年8月発売予定)を制作中。

 使用録音マシン:Telefunken V72a 1960年代製、Telefunken V76 1960年代製、Telefunken U83 1950年代製、Microtech Gefell UM92S 1990年代製、Telefunken D19 BKHI 1960年代製、AKG B200 1960年代製、AKG D19CRCA 77DX 1940年代製、Neumann W444sta 1970年代製、Eckmiller W85

ヒストリィ:
2006年10月 西中と春木が出会う。
2007年1月 「Recto Berso」結成、および初めての生演奏会をする。
2007年3月 インターネットラジオ「噂のギグ」に出演する。
2007年6月 インターネットラジオ「噂のギグ」に出演する。
2007年11月 吉川忠英氏らとセッションする。屋敷豪太氏も同席。勉強する。
2007年12月 EMI主催オーディション 第1回Awake Sounds Audition 準優勝をおさめる。
2009年2月 ビーイング音楽振興会主催 2009BADオーディション最終選考通過
2009年3月 アルバム完成にむけて、録音をいっしょうけんめいにする。
2010年7月 アルバムのプリマスター版が完成する。
2010年10月 音密団により発掘、育成される。
2011年7月 BELAKISSのメンバー全員に、プリマスター盤を手渡す。
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